「風のように、土のように」というブログタイトルの意味。

「風と土」というのは、私が生きるうえでこだわっているキーワードだ。
19歳の時に、国際NGOピースボートが主催する「地球一周の船旅」に参加し、3ヶ月間世界を旅した際に、船の上で、環境活動家の田中優さんの口から初めてこの言葉を聞いた。

「人には、地に足をつけて一つの地域やテーマに根ざして生きていく土の人と、多様なものとつながり世界を飛び回る風の人がいる。両者は、互いに反目しがちだが、風の人と土の人が手を取り合った時に、風土が生まれ、社会は変わるのだと思う。」

私は、地元の地域コミュニティで、そこの文化と人の中で育ち、そこに愛着とアイデンティティを感じている。まして地元は被差別部落で、そういう意味ではテーマ性もあり、私にとってはひっぱられるものがあるというか。こだわりがある土地・こだわりがあるテーマがそこにある。それがなければ私は私にならなかったと思う。
でも、そこだけにいると苦しくなってしまう。ずっとそこにいられない。

ピースボートに乗って以来、新しい場に出かけたり人と出会ったりしながら、何か活動を生み出すのがとても楽しくなった。性分としては、風の要素が強いのだろう。じっくりコツコツというより衝動性と勢いで生きている。それが時に地元では受け入れられにくいところもあるけれど、最近は、なんというかいい意味で諦められている気がする。「みどりはああいうヤツやからしゃーない」という感じで。

11年前、ピースボートでの旅が終わるタイミングで綴った文章にはこんなことが書いてある。

「私は土の人でもありたいし、風の人でもありたい。
風と土をつなげる人でもありたい。
贅沢かもしれないけれど、船を下りたらそういう生き方を私なりに探っていきたい。そういうふうに、生きていきたい。」

11年経って今この言葉を見ると、時に土と風との引き裂かれ感に苛まれながらも、結構誠実に、そのように生きてきた気がする。