9月1日を前に声を大にして言いたい。「学校なんかよりも命が大事」

今日は、数ヶ月前までお子さんがホームスクーリングをしていたという方とお話しする機会があった。

1時間ほどのお話の中で、「学校が絶対視され過ぎていますよね」ということが話題に上がった。学校に行っていない子が地域を”ちょろちょろ”していると、非常に肩身が狭いのが今の日本の状況だ。それによって、不登校というただ「学校に行かない」という行為が、スティグマになったり、自己否定感になったりする。さらには、外に出られないことが、引きこもり状態を招いていく。
(引きこもる理由はもちろんそれぞれだが、不登校から引きこもりになる場合、これは主要な要因の1つだと思う)

本当は、もっと地域の中、社会の中に学びがあって、学校はあくまで地域の中、社会の中の1つの箱であるはずなのだ。


みなさんは、2日後に迫る9月1日が、子どもの自殺がとりわけ多い日であるということをご存知だろうか。この日だけではなく、夏休み明けのタイミングでの自殺件数は、明らかに多い。また、実は4月の新学期が始まる前にも同様にグラフが跳ね上がっている。

「学校に行く」ということが、こんなにも子どものストレスになっているということに愕然とする。学校が楽しかった人には、想像しづらい現実なのかもしれないけれど。
(かくいう私も学校は楽しかったというか、超適応してやって来た人間です)

 

先日未来の先生展の中での「多様性を受けとめる学校づくり」のトークセッションに登壇してくれた石井志昴くんの記事がYahooニュースにアップされていた。
彼が編集長を務める不登校新聞は、早くからこの問題に気づき、警鐘を鳴らして来た。

その彼が、こんな記事を書いている。

▼9月1日前後の72時間が子どもの自殺のピーク。 SOSの「受け取り方」に変化を。
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiishiko/20170830-00074378/

40歳未満の者が自殺に追い込まれやすい時間帯は午前0時台にピークになることもわかっている。つまり、本日(8月30日)の深夜0時から72時間が年間を通して子ども自殺のピークだと言える。

しっかり受けとめたい。

志昴くんたちの熱心なキャンペーンのおかげで、夏休み明けに子どもの自殺リスクが高まることが徐々に認識され、夏季の教員研修でも、自殺予防研修が設けられる自治体も出てきているようだ。

学校の先生たちには、いつも以上に、子どもの気持ちに寄り添った関わりが求められているけれど、もちろん先生たちだけでは足りなくて、保護者も、親戚のおっちゃんおばちゃんも、おじいちゃんおばあちゃんも、PTAの人も、地域を歩く道ゆく人も、子どもたちを「指導」したり責めたり嗜めたりするのではなく、気持ちを聞いて受けとめることが大切なのではないだろうか。「責めてくる大人」「追い詰めてくる社会」ではなく、「聴いてくれる」「受けとめてくれる大人」でありたいと思う。

私のFacebookフィードでは、ここのところ、フリースクールや地域の関係者の皆さんが、「フリースクールあけてるから来てね」「子どもの声を聞こう」といった発信をされているのが流れて来る。

その中にあった1つの言葉が、印象的だった。

「学校はすべてではない。いのちは、すべてです。」

本当にそうだと思う。

「死ぬぐらいなら、学校なんか休んでいい。」
「むしろ、休むべき、休まなきゃいけない。」

言いづらいかもしれないけど、学校の先生も、そう言っていい。親もそう言って大丈夫。
地域の人も、「無責任かな」なんて思わずに、よその子にだってみんなで言おう。

だって、いのちはすべてですよ。絶っ対に、学校より重いでしょう?

さあ、明日はどんな1日になるかな。